弁護士が世の中を変える。
こう書くと不遜な感じがするが、投票価値に関する一票の格差の是正を
求める裁判については、弁護士が声を上げて訴訟提起しなければ、
違憲判決が下され、社会問題とされることはなかった。
その意味で、昨日下された参議院選挙の無効判決は、弁護士が世の中に
対する影響力を発揮したという意味でも画期的判決だったと思う。
参議院は衆議院に比べ、地域代表的性格が重視され、
一票の格差の問題よりも、人口の少ない地域からも代表を出すべきだ、
という価値観に傾きがち。
そんな風潮の中、参議院選挙の無効判決を勝ち取ったことに、大きな意味を感じる。
民主主義を守ろうとしてこの訴訟を必死の思いで闘ってきた
弁護士の笑顔が新聞紙面(朝日11.28夕刊)を飾ったことに、
とても勇気づけられた。
今、静岡県弁護士会は、会をあげて、特定秘密保護法案に対する
反対の街頭宣伝を行っている。
忙しい中、多く静岡の弁護士が、この法案に対する怒りを込めて、
街頭宣伝を行っている。
参加しているどの弁護士も、より良い社会を築きたいとの思い、
すなわち個人の利益を超えた無私の思いで街頭宣伝を続けているのである。
ボクは、この運動に参加している弁護士に、心の底から敬意を表する。
社会問題に対して真摯に取り組む弁護士の姿は、選挙の無効を求めた弁護士と共通。
静岡の地に、無私の心で、少しでも世の中をよくしたい、
民主主義を守りたいと思う弁護士が少なからずいることを、
同業者として本当に誇りに思っている。
特定秘密保護法案は民主主義を崩壊させる稀代の悪法。
この法案の成立を阻止するために、心ある弁護士と力を合わせて、
廃案に向けて最後まで頑張りたいと思っている。
弁護士 西ヶ谷 知成