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2013年を振り返って。

私は今日で仕事納めです。

夏休み以降ほとんど休みなく働いてきたので,明日から
何日かはゆっくりしようと思います。

今年も本当に多くの方にお世話になりました。

ありがとうございました。

年納めに,今年の日本の政治について少し書きたいと思います。

今年7月の参議院議員選挙の結果,自民党が過半数を占め,
衆参のねじれが解消しました。

そこから日本という国の形が大きく変わり始めたように,
私は感じています。

端的に言えば「平和を希求する国家」から「戦争をする国家」へ。

平和憲法をないがしろにし,戦争をしやすい国へと変貌してきて
いるように感じています。

国家安全保障会議(日本版NSC)の設置,秘密保護法成立,
武器輸出解禁,そして挙げ句の果てに安倍首相の靖国参拝・・。

自民党は,一連の制度導入について,「積極的平和主義」
という言葉を用います。

しかし,その中身は,軍事力によって紛争を解決しようとする
古い手法であり,この手法が通用しないことは,今や世界の常識となっています。

軍事力を用いずに外交力で紛争を解決するやり方こそが,
今の時代に相応しい紛争解決の手法。

中国との尖閣諸島をめぐる問題にしても,軍事力を増強して
解決するはずがありません。

中国政府は,多民族を統合するために自国民の反日感情を利用しているの
ですから,中国の挑発に乗ってしまっては,ますます中国国民の
反日感情を煽るばかりであり,中国政府の思うつぼではないでしょうか。

日本は,憲法9条を全面に押し出し,戦争はしないことを明確に
宣言するとともに,非戦の国日本に対し領土侵犯をしようとしている
中国の横暴を国際社会に訴え,国際社会を味方につけることによって
問題の解決を試みるべきだと思います。

戦争しやすい国,まるで戦前の日本へと逆走する自民党政治。

しかし,まさか自分の身に危険が及ぶなんてないだろう,
と考えている方も多いのではないでしょうか。

でもそれは太平洋戦争に向かっていくときも同じ。

あれほどの惨禍が生じることが分かっていれば
誰も賛成しなかったはずです。

危ない国になってきた,と多くの人が感じるようになった頃には,
反対の声も挙げられない社会になっています。

そうなる前に反対の声を挙げなければ止められないのが戦争です。

弁護士業界も楽ではありませんが,平和な社会を子供たちに引き継いで
もらえるように,来年もまた,心ある弁護士たちとともに,
積極的に取り組んでいきたいと思っています。

弁護士 西ヶ谷 知成