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よくある質問

労働問題Q&A

内定を受けた会社とのトラブル。【内定・試用期間について】

内定を受けていた会社から、突然、会社の都合で内定を取り消すとの通知が届きました。諦めるしかないのでしょうか。
採用の内定であっても、採用をすることの意思表示(内定通知書など)があり、内定者がこれを承諾(誓約書の提出等)をしていれば、労働契約が成立しているといえます。ただし、この労働契約には、一定の事由が発生した場合には内定を取り消すという解約権が付いていると考えるのが一般的ですので、通常の労働契約よりも弱いものといえます。もっとも、会社が解約権を行使するためには、合理的な理由が必要であり、合理的な理由のない内定取消しは無効であると争う余地があります。

試用期間て何ですか?【試用期間について】

会社に入社する際「試用期間は3ヶ月」と言われました。試用期間と本採用はどう違うのですか?
入社後の一定期間を試用期間として、その間に労働者を評価して本採用をするかどうかを決めるという場合があります。通常、試用期間が付いていても、当初から労働契約が成立しているが、試用期間中の労働者の勤務状態等により、能力や適格性が判定され、雇用を継続することが適当でないと判断されると、本採用拒否という方法の解約ができると解されています。とはいえ、本採用拒否が無制限に許されるわけではなく、客観的に合理的な理由があり、常識的に考えて相当といえる場合にのみ許されると解されています。

賃金・退職金を払ってもらえない。【賃金について】

仕事中に、不注意で会社の機械を故障させてしまいました。修理費用を給料と相殺すると言われましたが…。
賃金には全額払いの原則があり(労働基準法第24条1項)、社会保険等の支払いに生じる金額以外のものについては、現金で全額支払うことが義務付けられています。このため、本人の同意もなく、賃金と損害賠償金を相殺することは認められません。労働者の過失で会社に損害を与えてしまった場合に、会社の請求額が妥当であるならば、会社に損害賠償をしなければならないこともあり得ますが、会社はあくまでも賃金の支払いとは別途に請求しなければなりません。
会社で取り扱う商品についての研修が、就業時間後に、無給で行われています。「必ず出るように」と言われているわけではありませんが、研修の出席率が悪いと査定が下げられてしまう上、研修に出ないと商品についての知識が十分に身につかず、業務にも支障が出てしまうため、仕方なく出席しています。研修時間についても賃金を支払ってほしいのですが。
使用者からの明確な指示がなくとも、黙示的な指示があると認められるときには、研修時間も労働時間として扱われます。指示があったか否かは、①参加する社員の職務内容との関連性、②職場規律や業務効率などの維持向上に資するか否か、③労働安全衛生法などの法令に基づいて実施するものであるか否か、④福利厚生の一環として実施するものであるか否か、⑤参加しないことによる不利益取り扱いの有無などの要素が考慮されます。

転勤や異動には従うしかないの?【事異動について】

これまで営業部門で働いていましたが,事務部門への配転が命じられました。営業部門は,外回りも多く,時間も不規則となりがちだったため,毎月2万円の営業手当がついていました。事務職には手当が付かないので,給料が減ってしまいます。配転に応じなければならないのでしょうか。
社員の配転に関しては,会社に指揮命令権があり,使用者の裁量が広く認められるため,権利の濫用といえるようなひどいケース出ない限り,配転を拒むことは難しいといえます。もっとも,基本給が大きく下がるようなときは,権利の濫用とされることもあるでしょう。一方で,職務が変わることにより,職務ごとに支給されていた手当を支給されなくなっても,職務内容が楽になるなど合理的な根拠がある場合は,手当の減少を不当な賃下げということは難しいでしょう。

サービス残業を強いられている。【労働契約・労働条件について】

勤務先の会社にタイムカードがなく、実際には月に80時間近い残業をしていますが、残業代が支払われていません。働いた証拠がないと残業代は払ってもらえないのでしょうか。
残業代請求をする場合に、実際の労働時間を立証する責任は、原則として労働者にあります。もっとも、タイムカードがなくても、それ以外の証拠(時刻の記載のある業務日報や電子メールの送受信時刻、パソコンの立ち上げ時刻等が明らかにできる資料、本人が作成したメモなど)によって、時間外労働の事実を認定させることも考えられます。残業代不払いは労働基準法違反の犯罪ですので、労働基準監督署に違反を申告することにより、調査や勧告をしてもらう方法もあります。交渉や労基署の利用によっても解決しない場合には、裁判所の利用を考える必要があるでしょう。なお、残業代の請求権は、2年間で事項により消滅してしまうものですので、注意が必要です。

会社を休職したい。【休暇・休職について】

旅行に行くために有休休暇の申請をしたところ、有休は病気や冠婚葬祭のときしか使えないと言われました。
年次有給休暇は、社員が①雇い入れられてから6か月以上継続して勤務している②前年1年間(雇い入れ後6カ月の人はその6か月)の全労働日の8割以上出勤したという要件を満たせば、自動的に発生するもので、原則として社員が自由に取得できます。取得の目的も、有休休暇の趣旨に反するもの(例えば、特定の業務を拒否するための取得)でない限り全くの自由です。ただし、会社には「時季変更権」があり、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができるとしています。繁忙期に多数の社員が有給を取得してしまう、ということでは事業の運営に支障がでるためです。

退職するよう迫られている。【解雇・雇止めについて】

最近、会社の業績が悪化しているようで、高齢の社員に対して、退職するよう説得が行われています。何度も人事部に呼び出されたり、複数人で説得をしたりするなど、会社の態度が強くなってきています。家のローンもあり、どうしても辞めたくないのですが。
会社の側から退職してほしいと伝えることを「退職勧奨」といいますが、これはあくまで自発的な退職を促す行為ですので、労働者が退職勧奨に応じる義務はありません。退職の意思がない以上はきっぱりと断れば良いでしょう。退職勧奨の手段や方法が常識的に考えて相当性を欠く場合には、違法な退職強要となりその行為自体が損害賠償請求の対象ともなりえます。

解雇されてしまった。【解雇・雇止めについて】

ある日突然、今日付けで解雇だと言われました。会社は解雇予告手当を1か月分支払うから問題ないと言っていますが本当ですか?
労働者を解雇するには、合理的な理由が必要です。解雇予告手当は、合理的な理由のある解雇について、30日前までに予告しなかった場合に会社が支払うべき金銭であり、解雇予告手当を支払ったからといって理由のない解雇が有効になるという性質のものではありません。まずは、解雇の理由を明らかにするよう求めていくべきです。

雇い止め、派遣切りにあった。【非正規雇用について】

これまでパート社員として、1年間ごとの契約更新を繰り返すことで7年間同じ会社に勤めてきましたが、先日店長と些細なことで喧嘩をしてしまい、次回の契約更新はしないと言われてしまいました。
期間の定めがある雇用であっても、繰り返し契約更新がされ、次の契約更新が十分に予測できるなど、契約期間の定めのない労働者と同視できるような場合には、実態として期間の定めのない労働者に該当すると考えられますので(労働契約法19条)、単に期間満了に伴う雇い止めという理由では退職させることはできず、正社員を解雇する場合と同じように正当な解雇理由が必要になります。このため、店長と喧嘩をしたというだけの理由では解雇することはできないものと考えられます。

会社を辞めたいのに辞めさせてもらえない。【退職について】

今の会社より給料の良い同業他社に転職したいのですが、今の会社に入社するとき「退職後2年以内に同県内の同業他社へ就職しない」という誓約書を書かされました。これに反して転職するとどうなりますか?
労働者には職業選択の自由がありますから、退職後の競合他社への転職の禁止の合意は、禁止される転職の内容や、転職禁止の期間、地域的な制約の程度、業種・職種の制約の程度、代償の有無、会社にとっての必要性などの要素から、総合的に判断して、合理的な範囲でしか効力が認められません。
激務に耐えられず、何度も上司に会社を辞めたいと相談していましたが「新しい人が入るまで辞められたら困る」と言われ、辞表を受け取ってもらえません。このままでは体を壊してしまいそうなので、一刻も早く辞めたいのですが。
労働契約には、期間を定めたものと期間の定めのないものがあり、期間の定めがある契約では、やむを得ない事由がない限り、期間の満了までやめることはできません。一方で、期間が定められていない契約では、社員は会社の許可なく退職することができます。そして、退職は原則として2週間以上前に申し出れば良いことになっています。(但し、完全月給制をとっている会社では、賃金支払期間の前半に申し出た場合は、その期間の満了まで、後半に申し出た場合は次の支払期間の満了まで退職できません。)仮に、会社が辞表を受け付けなかったとしても、社員が退職の意思を伝えて2週間が経過すれば、自動的に契約は終了し、退職したことになります。

会社が倒産したが、この先どうなるの?【未払賃金の立替えについて】

会社の業績が悪化し、3か月前から給料が支払われていませんでしたが、ついに会社が自己破産を申立て、破産手続きが始まってしまいました。もう給料は払ってもらえないのでしょうか。
労働者が会社に対して有する給料債権は、破産手続きの中でも他の債権者に優先して弁済を受ける権利があります。また、未払賃金の立替え制度というものがあり、適用対象となれば、独立行政法人労働者健康福祉機構から未払い賃金の総額の最大80パーセントの立替え払いを受けることができます。

労働問題はどこに相談すればいいの?【労働問題の相談先について】

賃金のことや労働時間について、会社と交渉してもまともに取り合ってもらえません。どこに相談すれば良いですか?
①労働基準監督署は、労働基準法の規制の実行を確保するための監督機関ですので、賃金不払いなどの明白な労働基準法違反の場合には、労基署に違反を申告し、労基署に権限を行使してもらい、違反を是正させることが考えられます。
②労働局(労基署の上の機関)の「あっせん」という話し合いの手続きを利用することも考えられます。
しかし、労基署からの指導やあっせんでの話し合いに会社が応じないケースもあり、その場合には、弁護士に相談いただいた上で、裁判所の利用を考えるべきでしょう。

労災はどのような場合に申請できるの?【労災について】

仕事中に、怪我をしましたが、会社が労災の申請をしてくれず、健康保険の利用で通院するように言われています。どうしたらいいでしょうか。
労災であるにも拘わらず、労災申請をしないという行為は違法です。会社が申請しないのであれば、労働基準監督署の労災課に相談し、会社への指導を促すべきでしょう。また、仮に会社が申請してくれなくても、そもそも労災申請の「請求人」は被災労働者ですから、会社が被災事実の証明をしてくれなくとも本人が労災の手続を進めることが可能です。
仕事中に、機械の操作をミスし、手を巻き込まれて怪我をしてしまいました。自分に不注意があったことは認めざるを得ません。会社は、不注意による怪我なので、労災扱いはできないと言っています。自分の不注意が原因の場合は、労災は認定されないのでしょうか?
業務中のケガは業務災害として取り扱われるので、単なる不注意程度であるならば、労災認定をされる可能性はかなり高いものと考えられます。会社が、労働者の労災請求を制限することはできません。もっとも、労働基準監督署長が、労働者に故意または法令違反などの重大な過失があると判断した場合は、全部または一部不支給ということがありえます。

セクハラについて教えてください。【セクハラ問題】

会社の歓送迎会で、酔っぱらった課長の隣に座るよう強要され、恋人の有無をしつこく聞かれたり、身体を触られたりしました。とても不快だったので、部長に相談したところ「お酒の席でのことだから…。」と話を濁されてしまいました。業務に直接関係のない場だから仕方ないのでしょうか?
セクハラは職場内に限らず、業務の延長線とみなせる場所で起こったことも含まれます。出張や営業など業務目的での外出先、出席が求められる職場主催の宴会などです。会社のセクハラ問題の相談窓口や労働局の雇用機会均等室へ相談することをお勧めします。