「アラブの春」から血みどろの内戦へと転化してしまったシリアで、昨日、ジャーナリスト山本美香さんが政府軍の銃乱射により死亡した。
「日本で暮らす私たちにとっては、戦争は遠い国での出来事と思うでしょう。
でも、紛争の現場で何が起きているかを伝えることで、世界が少しでもよくなればいい。
報道することで社会を変えることが出来る、私はそう信じています。」
これは、生前の山本美香さんの言葉。
戦場での真実を伝えることで、世界をよくしたい、社会を変えたい。
とても崇高な理想であり、その理想を命がけで追求してきた山本美香さん。
ご冥福をお祈りいたします。
尖閣諸島や竹島の問題をめぐって、隣国との関係が緊迫している日本。
尖閣諸島や竹島は,歴史的には日本の領土であり,中国や韓国の主張には正当な理由がないと、個人的には思っている。
しかし、他方で、中国や韓国も、自国の主張に「正義」があると確信しているようである。
他国の「正義」と自国の「正義」のぶつかり合いは、究極的には戦争を生じさせる。
そして戦争や内戦で最も被害を受けるのは、一般市民、特に子どもたちである。山本美香さんは命がけでこのことを伝えたかったのであろうし、太平洋戦争を経験した90歳前後の方々の声に耳を傾ければ、振り絞る声が聞こえてくる。
過去の戦争での真実を知り、現在遠い国で起きている内戦での真実を知ることで、自身の「正義」を強行に貫き通すことに躊躇を覚え、平和裏に解決するよう知恵を絞る。
この思考過程こそが、今の日本人に求められているものだと思う。
弁護士 西ヶ谷 知成
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