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背筋も凍る自民党選挙公約

仕事がたまっているのにブログを更新するのは気が引けるが,
黙っている訳にはいかないのでブログを書く。

自民党は,11月21日,選挙公約として,「国防軍」の創設と
集団的自衛権行使を掲げ,そのために憲法を「改正」することを発表した。

このような「改正」が行われたらどうなるのか。

答えは簡単。戦争で人を殺すことが許される国になる。
そして,アメリカの戦争に直接荷担する国になる。

2003年に起きたイラク戦争では,アメリカが国連を無視し,
イギリスなどと多国籍軍を組んでイラクを攻め,多数の一般市民を殺害した。

正確な死者数は明らかにされていないが,一説には死者数は65万人,
イラク国民の4人に1人(!)が亡くなられたともいわれている(米大学調査結果)。

しかし,この戦争の大義名分だった「大量破壊兵器」は存在せず,
正当性のない戦争だったことが後日明らかになったことは,ご存じのとおり。

日本は,後方支援という形で間接的に荷担させられたが,
集団的自衛権の行使は憲法9条に反することから,直接戦争に荷担させられることだけは免れた。
(なお,名古屋高裁は後方支援であっても違憲であると判断。
「自衛隊のイラク派兵差し止め訴訟判決文を読む(角川書店)」)

つまり,憲法9条があったからこそ,アメリカの犯罪(大量殺戮)
の直接の共犯者になることだけは,首の皮一枚で免れたのである。

憲法9条があったから,日本人が直接イラク人を殺害することだけは免れた。
もし,憲法9条がなければ,日本はアメリカと共に多数のイラク人を殺していた。

そして今,憲法9条を「改正」して,集団的自衛権を行使することができる国になろうとしている。
つまり,他国の国民の4人に1人を無差別に殺すことができる国になろうとしているのである。

本当に,背筋が凍る思いである。

弁護士 西ヶ谷 知成