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政権交代がもたらしたもの。

2013年度の予算案には,新政権のカラーが鮮明に表れている。

端的に言えば,無駄遣いして赤字を増やしつつ,弱者を切り捨てる予算案である。

顕著なのは,防衛費の大幅増額。

領土問題が主な増額理由だが,領土問題が軍備拡張で解決するなど到底考えられない。

全くの無駄金である。

また,公共事業費も15%増とのこと。

更に大きな借金を次世代に残すことになることを,どう考えているのであろうか。

他方,生活保護費の大幅な削減。

最低限度の生活を守るために規定されている憲法25条に由来する
生活保護制度の大幅な後退である。

削減理由は,生活保護を受給していない低所得世帯が保護を受けている
世帯よりも所得が少ないので,受給者が「もらいすぎている」との判断。

しかし,本来であれば受給できていない低所得世帯に保護を行き渡らせるのが筋。

所得の低い方に合わせていくのでは,貧困はますます拡大する。

また,生活保護費の削減は最低賃金制度と連動しているので,
法定の最低賃金も引き下げられることになる。

その他,年金支給額引き下げや少人数学級制度の先送り,原発推進など,
一般市民のくらしを大幅に後退させる自民党政治。

民主党政権よりもはるかに酷い政治が行われているといわざるを得ない。

我々の投票行動により行われた政権交代は,弱者を切り捨てる一方,
切り捨てで浮かせた金や将来への借金で,無駄遣いをする政治を作り出した。

そのつけは,必ず我々自身や我々の子どもたちに回ってくることになる。

弁護士 西ヶ谷 知成