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反原発訴訟,合宿。

この土日,浜岡原発廃炉請求訴訟の弁護団合宿に参加した。

浜岡原発廃炉請求訴訟とは,昨年7月1日に静岡の弁護士が中心となり浜岡原発の永久停止などを求めて静岡地裁に提訴した訴訟のことである。

この訴訟には静岡の弁護士100名以上が名を連ねている。
この訴訟のように静岡の弁護士100名以上が代理人となった訴訟は,過去に例がない。
昨年5月に菅直人首相(当時)の決断により浜岡原発は一時停止となったが,その背景には,この大弁護団による提訴が間近である,との情報が管氏の耳に入ったことによるものだ,ともいわれている。

このように,提訴自体で大きな意味のあったこの訴訟は,提訴から一年経った現在も続いている。

この訴訟の代理人となっている弁護士は提訴後も徐々に増え,現在は200人を超えているが,実際に訴訟の中身にかかわっている実働の弁護士は,実はこの数よりだいぶ少ない。
しかし,この実働の弁護士たちが、凄い。

そもそも,この訴訟では着手金は一切もらっておらず,また訴訟で金銭的な請求を全くしていないことから、仮に裁判で勝っても弁護士報酬は一切発生しない。そればかりか,書籍の購入や書類の印刷代,会議出席のための移動費や宿泊費など,完全に「持ち出し」である。それも,かなりの金額になる。
しかし,それを覚悟で参加している。
しかも,皆,市民の生活を守るために絶対に原発を止めるのだ,という強い信念をもって真剣に取り組んでいる。
私自身は実働で参加しているもののたいした働きが出来ていないが,こういう弁護士たちの良心に直接触れることができるだけで,弁護団に参加して本当によかったと思っている。

しかし,もっと凄いのは,我々静岡の弁護士よりもはるか以前から,原発を止めるために訴訟をやってきた弁護士たちがいるということである。
福島の原発事故以前から,信念を持ち,弁護士人生を掛けて原発差止めの訴訟をやってきた弁護士たちがいるのである。
これまで裁判により直接原発が止まった例はないが,この弁護士たちが積み上げてきたものはとてつもなく大きい。
我々静岡の弁護団もこの弁護士たちから多くのことを教わりながら訴訟を進めており,この土日の合宿でも長時間にわたり講義をして頂いた。
そのような凄い弁護士たちに触れることが出来るのも,弁護団に参加させて頂いたおかげである。

今,国民の反原発のうねりの中,日本全国にある全ての原発について,永久停止を求める訴訟が提起されようとしている。
この全国の弁護士の良心の結集が,腐った政治を覆し,必ずや日本のエネルギー政策を転換させることとなることを,私は信じている。

西ヶ谷 知成