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伊東市に法律事務所を開設。

私が所属している静岡県弁護士会法律相談センター運営委員会は,
ここ1年,伊東市に法律事務所を立ち上げるべく準備してきた。

そして,昨日,ようやく「伊東ひまわり基金法律事務所」の開所式を行うことが出来た。

伊東市は,数年前にただひとり開業されていた弁護士が亡くなって以降,
弁護士不在の状態が続いてきた。

その結果,暴力団などによる非弁活動(弁護士の資格を持たずに弁護士業務を行うこと。)が横行してしまった。

伊東市も,この状況を問題視。

静岡県弁護士会に改善を要請し,それを受けて弁護士会も伊東市に
法律事務所を作るべく尽力してきた。

私たちの委員会は,赴任を希望される弁護士を全国に公募し,複数の応募の中から面接を行い,
その結果,愛知県弁護士会所属の東端克博弁護士に赴任頂くことを決定した。

東端氏は弁護士3年目ではあるが,弁護士過疎の問題に高い問題意識を持っており,
地域に司法サービスを提供することに使命感を有している有望な人材。

過疎地域で開業することを条件に法科大学院授業料を援助してもらう
NPO法人の基金を利用したことも,東端氏が今回応募した切っ掛けになったとのこと。
また,事務所名は,日本弁護士連合会の援助制度である「ひまわり基金」
を利用することから「伊東ひまわり基金法律事務所」となった。
このような,NPOの基金や,「ひまわり基金」制度など,諸先輩方が行ってこられた
弁護士過疎地域をなくすための積極的な取り組みが,今回もまた実を結んだ形となった。

さて,次世代を担う我々若い世代の弁護士は,今後,先輩方が取り組んできたような
社会問題に対する取り組みを行っていくことが出来るか。
我々若手弁護士は,今後,社会の中でどのような役割を果たしていくことが出来るだろうか。

少なくとも,先人たちが敷いたレールにただ乗っていくだけでは不十分
であることだけは,間違いない。

弁護士 西ヶ谷 知成