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マイノリティーに対する想像力

広島の宮島で開催された自由法曹団の全国集会に参加してきました。

この集会では、様々な社会問題について研究、報告が行われ、活発な意見交換が行われます。

参加する前は、場所が遠いし…、お金もかかるし…、忙しいし…、などと行かない理由ばかりが直前まで頭をよぎりましたが、思い切って参加して良かった!多くの刺激をもらいました。

もっとも痛感したことは、マイノリティーに対する想像力が自分に不足していたということ。

社会問題について敏感なつもりでいましたが、大切なことが足りないことに気づかされました。

きっかけとなったのは、「ヘイトスピーチ問題」分科会。

在日コリアンの弁護士仲間が涙ながらに語る、ヘイトスピーチにより受ける被害実態。

何人かの話を聞くうちに、ヘイトスピーチ問題の深刻さを知るとともに、自分がいかに問題の本質を理解していなかったのかということについても同時に気づかされました。

理解不足の原因は、自分がマジョリティーの側にいることの安心感にあったと思います。

それによって思考停止に陥り、マイノリティーの苦痛に対する想像力を働かせることを怠っていたのだと思います。

このことはヘイトスピーチ問題に限りません。

自分はひとり親家庭ではないから

自分は同性愛者ではないから

自分は生活保護を受けていないから

自分の街には米軍基地がないから

こういった、自分がマジョリティーの側にいるから安心、という気持ちが少しでもあると、問題の本質を見失うことになるのだと思います。

そしていつか自分がマイノリティーの立場になったとき、サイレントマジョリティーの残酷さに気づくことになるのだと思います。

社会問題に対しても、仕事においても、想像力をしっかりと働かせながら、明日からまた頑張っていきたいと思います。

弁護士 西ヶ谷 知成