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ひさびさにブルーハーツを聴いて考えたこと。

子供の運動会で使われるということで,
二十数年ぶりに手にしたブルーハーツのCD。

懐かしくて,子供そっちのけで一人で盛り上がってしまいました。

その中でも,心にぐさりと突き刺さったフレーズ。

「生まれたところや皮膚や眼の色で,一体このボクの
何が分かるというのだろう。」  (「青空」より)。

このフレーズは,直接的には人種差別を批判するものですが,さらに,
人がどの人種で生まれてくるか,どの国の国民として生まれてくるかは
偶然にすぎず,人間の本質ではない,という意味も含まれています。

最近,愛国心が強い日本人を中心に,竹島や仏像問題を
きっかけとして,韓国人に対する強い反感が生じています。

でも,その愛国心が強い日本人が、仮に日本人ではなく
韓国人として生まれていたらどうでしょうか。

人の価値観は環境によりつくられる部分が少なくありません。

ですから,反日教育を受け,きっと心から韓国を愛し,
その反動として日本人を憎む気持ちになる人も多いのではないでしょうか。

人は、親を選ぶことはできませんし、生まれてくる国も
選ぶことができない。

そのことを前提に国際問題を考える必要があります。

日本人として気にくわないからと,単に韓国を批判しているだけでは,
アジアの平和は一向に訪れません。

では,日韓関係を正常化するにはどうしたらいいか。

私は,相手国を変えることではなく,自国を変えることに
その答えがあると思っています。

相手国が納得するような対応をすること,つまり韓国人も
納得できる歴史の清算をすることによって初めて,韓国内でも,
日韓関係を見直そう,という気運が高まるのではないでしょうか。

すなわち,過去の歴史を歪曲することなく正面から受け止め,

日本の侵略戦争に対する真摯な反省や,従軍慰安婦に対する補償をする
といった歴史の清算を行って初めて,良好な関係をつくる環境が整うのだと思います。

今一度,日本人が,日本の暗い歴史を振り返る痛みに
耐えることこそが,今,国際社会から日本に求められていることだと思います。

集団的自衛権は,アジアの平和を導く答えではない。

日本の負の歴史の清算こそが,アジアの平和を導く答えであると,
ボクは考えます。

弁護士  西ヶ谷 知成