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「闘いとってきた変化」

今朝(5/23)の朝日新聞に掲載されたジェンダー研究のパイオニア,上野千鶴子氏(社会学者)の文章が示唆に富んでいたので,一部をブログで紹介したい。

『「からかい」や「いたづら」をセクハラと名付け,「痴話げんか」をDVと名付けて,女性の経験を再定義してきたのは,フェミニズムである。
「痴漢は犯罪です。」というポスターを東京都の地下鉄で見たときの感動は忘れない。
これらは日本の女性運動の達成した成果である。
変化は自然現象のように起きたのではない,闘いとってきたのだ。
学問は何のために役立つのかと言われながら,女性の経験の言語化と理論化に努めてきたのが女性学・ジェンダー研究だった。』

長年にわたる粘り強い運動の積み重ねが社会を少しずつより良く変えるのであり,自然に変わっていくことは期待できない。
社会をよりよく変えたいのであれば,待っているのではなく闘いとるという意識が必要。

上野氏の記事から,分かり易い結果を求めがちな昨今の自分を振り返る切っ掛けを頂いた。

では,法律家は何に役立つのか。

日々自問自答しながら仕事に臨みたいと思う。

弁護士 西ヶ谷 知成