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「テロとの戦い」???

安倍さんが頻繁に口ずさむ、「テロとの戦い」。

もちろんテロは許されるべきものではありませんが、率直に言って「戦う」という発想に違和感を覚えます。

日本でも時々起るテロ。池田小事件や秋葉原事件など、目を覆いたくなるほど凄惨で悲しい事件が時々起こります。

このような事件には、犯人が犯行に及ぶ背景事情があります。
背景事情があるからと言って犯行を肯定できものではありません。ですが、社会がテロを生んでいる側面があることも否定できないと思います。
テロを生む社会的背景を無視してテロと戦ったとしても、根絶することなどできないと思います。

憎むべきテロをなくすためには、テロを生じさせる社会的背景をなくすこと、つまり自暴自棄にならない社会、人が生きやすい社会をつくる必要がある。
テロと戦うのではなく、テロが起きない社会、人が自暴自棄にならない社会をつくらなけらば、テロの根絶など不可能だと思います。
このような視点なしに、やみくもにテロと戦っても、憎しみの連鎖を生むだけではないでしょうか。

「イスラム国」の問題も根っこは同じだと思います。
「イスラム国」が発生したのも社会的な背景があります。
命を懸けてでも許せない、という彼らの価値観がある。
彼らの価値観に到底共感できないとしても、その社会的背景に思いを馳せ、その根を絶つ努力をする。
テロに対する解決策は、それしかないと思います。

安倍政権下でますます生きにくくなる日本社会。
テロの根絶とは真逆の方向に進んでいると思います。
このままでは、第2、第3の秋葉原事件が起こることは間違いありません。

弁護士 西ヶ谷 知成