弁護士の西ヶ谷です。今日が仕事納めです。
今年はコロナに世界中が振り回された1年でしたが、私自身にとっても変化に富んだ激しい1年となりました。
まず今年前半の重要課題は、事務所を法人化して故郷の藤枝市に支店を出すこと。
コロナ拡大など全く予想していなかった昨年末、法人化の手続に入るとともに藤枝駅近で賃借物件を探し、今年に入ってから新事務所の内外装や備品購入、新スタッフの雇用などに奔走しました。
期せずしてコロナ第1波まっただ中の4月に開業することとなってしまいましたが、藤枝事務所に赴任した西澤弁護士をはじめスタッフの頑張りで、なんとか軌道に乗せることが出来ました。
また、4月からは静岡県弁護士会静岡支部幹事長に就任し、弁護士会内の仕事にも取り組みました。コロナ対策などマニュアルに頼れない難しい判断を迫られたりもしましたが、ここまで何とか無事に務めています。来年3月の任期満了まで気を引き締めていこうと思っています。
それから、自分にとって今年最大の出来事は、静岡地裁にリニア新幹線差止め訴訟を提起したこと。
正直なところ、このリニア訴訟の提起は仕事の負担がとてつもなく大きいので、かなり悩みました。
しかし、東京地裁で先行するリニア認可取消訴訟にも関わっている自分が動かなければ誰もやらないのではないかという勝手な使命感と、大井川流域62万人の水に影響が出てしまうかも知れない重大な問題を見て見ぬふりをするのでは弁護士として存在意義がないのではないかという自問自答を繰り返した結果、取り組むことを昨年秋に決めました。
決意を固めて間もなく、各地域で地道にリニア反対運動をしてきた方々と連携して提訴までの段取りを決め、弁護団を組織し、島田・掛川・藤枝など各地の学習会で講演をし原告を掘り起こすなどして100名を超える原告が集まり、今年10月末に静岡地裁に差止め訴訟を提訴することができました。
訴訟を進めていくことには強いプレッシャーを感じますが、大井川流域の多くの方々の不安な思いや南アルプスをこよなく愛する方々の思いをしっかりと受け止め、全力で取り組んでいこうと思っています。
また、今年終盤は書籍出版(共著)の原稿作成にも取り組みました。テーマは労働法。市民講座で話した内容が幸いにも好評だったようで、その内容を書籍化したいとの有り難いオファーをいただき、締め切り間近の12月下旬は執筆に追われました。
来年もコロナで大変な状況はまだ続きそうですが、困難なときこそ人の真価が問われると思います。
困難を自分の人生の1ページとして楽しみながら、今の時代を生きる一弁護士として真っ直ぐ進んでいこうと思っています。
弁護士 西ヶ谷 知成