奇しくも、年金額が少なすぎて生活ができないことなどから新幹線内で焼身自殺者が出た昨日。
年金減額が憲法25条が保障する生存権違反であること等を理由とする訴訟を、静岡地裁に提起した。
年金の減額は月額にすると僅かであるが、それでも生活苦を感じる高齢者が多数いる。
高齢者の年金は、25年間納め続けたとしても、基礎年金だけだと6万4000円程度。
ここから、家賃を払い、残りを生活費にあて、ぎりぎりの生活しなければならない高齢者も多い。
このような実態を捉えた「老後破産」という言葉も、巷で目にするようになった。
http://news.livedoor.com/article/detail/9821483/
日本は、いつからこんなに高齢者に冷たい国になったのだろうか。
安心した老後を国民に提供できないほど、日本という国は脆弱なのであろうか。
先進国である日本において、まじめに働いてきて老後を迎えた高齢者に安心した老後を送らせてあげることができない政治は、やはり、どこか間違っていると思う。
減額幅は小さくとも、今ここで減額を安易に許したら、これから際限なく年金が減額されるのは間違いない。若者が老後を迎える頃には、もっとひどい状況になるに違いない。
この年金減額の問題は、今の高齢者の問題だけではなく、いずれ高齢者となる我々の問題でもあるのだ。
原告57名と弁護士15名で提起した今回の訴訟。
全国でも同様の訴訟が行われている。
何らかの成果があげられるよう、尽力していきたいと思う。
弁護士 西ヶ谷 知成